<目次>
①そもそもアンティーク商品とは
②仕入れの問題点
③仕入れ資金の問題点
④アカウントの問題点
⑤回転率の問題点
⑥真贋の問題点
⑦古物商許可証
⑧まとめ
①そもそもアンティーク商品とは
「アンティーク」とは、
一般的に古くて美術的・芸術的価値のあるものを意味します。
骨董品や古美術品、家具や道具、衣類やアクセサリーなどの装身具、
絵画やインテリアなどの品です。
なお、「アンティーク」は国際的に明確な定義があります。
それはアメリカの通商関税法で定められた、
「製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」
というものです。
これは、その後、WTO(世界貿易機関)でも採用されています。
似たような言葉で、「ヴィンテージ」もよく使われます。
「ヴィンテージ」は、もともとワインのための用語でした。
ワイン用語におけるヴィンテージとは「収穫年」を指し、
当たり年につくられた高級ワインをヴィンテージワインと呼びます。
このようなワイン用語が転じて「希少価値が高いもの」「名品」
などにも使われるようになりました。
一般的に「アンティーク」と比べた場合、
「製造から20年以上、100年未満の年数を経過したもの」
を指す場合が多いです。
いわゆる「年代物」です。
転売では、年代は関係なく、古くて希少性のあるものを
まとめて「アンティーク」と呼ぶことが多いです。
「アンティーク時計」「アンティークコイン」などです。
古着で希少性のあるものは、
「ヴィンテージ」を使う場合が多いようです。
「アンティーク」や「ヴィンテージ」は、
中古品、USED品、OLD品よりも、もう少し古くて
希少性を感じる場合に使っている場合が多いです。
いずれにして、転売では、
明確に年代で区別しているわけでは有りません。
明確に年代で区別しているわけでは有りません。
②仕入れの問題点
アンティーク商品は安定した仕入れが難しいのです。
アンティーク商品がどうして人気があるかというと、
ズバリ希少性です。
アンティーク商品は、これから新たに作られることがなく、
世の中に数が少ない希少品です。
新品のように、いつでもどこでも買えるわけではないので、
希少品を求めるマニアに高く売れるのです。
アンティーク転売では、初心者でもアンティーク商品を、
いつでも仕入れができるようなことを説明しています。
しかし、
希少性があるのなら、毎日のように仕入れることは難しいです。
そもそも、
毎日でも仕入れができるようなものであれば、
希少性がないということなので、
高く売れることもありえないことになります。
つまり、利益が取れるアンティーク商品は、
安定した仕入れが難しいことになります。
③仕入れ資金の問題点
アンティーク商品の転売には多額の資金が必要です。
転売の利益率は、通常、10~20%程度と言われています。
アンティーク商品は掘り出し物などがあれば、
比較的高利益率を狙える場合がありますが、
それでも、平均の利益率は30%程度のようです。
仮に、初心者が月の利益約30万円稼ぐとすれば、
売上は約100万円になりますので、
仕入れ資金は約70万円が必要です。
転売初心者にとっては、かなりの資金が必要になると思います。
④アカウントの問題点
アンティーク商品転売ではアカウントの専門店化が必要です。
ヤフオクなどネットでマニア向け商品を販売する場合は、
アカウントに専門性を持たせないと売れにくいです。
例えば、
自宅の不要品であるマンガや古着を出品している中に、
アンティーク商品を1個2個出品する程度であれば、
自宅で保管していたアンティークを出品したということで
売れる可能性があります。
しかし、
アンティーク商品転売を継続的にビジネスにするのであれば、
他の商品と混在して出品すると、
お客様はあまり信用を持ってくれません。
アンティーク商品を売るためには、
信用が大事ですのでアカウントを、
アンティーク商品の専門店する必要があります。
そのためには、アンティーク商品に関するものを
少なくとも50点程度は常時出品しておきます。
そうすると、この出品者はアンティーク商品を
よく知っている出品者だという信頼を得られます。
評価数も大事です。
不要品販売であれば、評価がなくても構いませんが、
専門店を目指すのであれば、評価数は20~30以上は欲しいです。
アンティーク商品の専門店で評価が高いと
お客さんが安心して購入してくれるようになります。
なお、ヤフオクは無在庫転売は禁止されているので、
無在庫転売が発覚した場合はアカウント停止になります。
⑤回転率の問題点
アンティーク商品の転売は一般的に回転率が悪いです。
アンティーク商品を国内で販売する場合は、
ヤフオクの定額販売で出品します。
理由としては、趣味の商品は、
1円出品にすると競り上がりが期待できないので、
1円で落札される可能性が高いためです。
定額出品にした場合、ものよっては、
売れるまで数ヶ月かかるものもあります。
転売では、資金力のある人は多少回転率が悪くても、
高い利益率をねらって数ヶ月でも待つことができます。
しかし初心者の場合、回転率が悪いというのは
資金繰りが悪くなるので絶対に避けたいことです。
特に、
カードで仕入れているような場合は、
支払いまでに現金を用意することは必須です。
支払いが間に合わないとカードが止められたり、
ブラックリストに載ったりして、
ビジネスが続けられなくなります。
このアンティーク商品転売は回転率が悪いので、
資金の流れをしっかり管理する必要があります。
⑥真贋の問題点
ネットで売られているものには偽物がありますが、
アンティーク商品には特に多いと言われています。
というのは、ネットで真贋の判別が難しいからです。
初心者が真贋の判別がつくかというと、難しいのが現実です。
特に、アンティークウォッチには偽物はとても多いです。
アンティークウォッチに限らず時計の偽物はとても多いです。
時計に詳しい人が見ればすぐに分かる偽物でも、
初心者では分かりません。
偽物を仕入れてしまったときに、すぐに分かれば返品できますが、
偽物と知らずに売ってしまったときは、
自分が偽物を売った犯罪者になってしまいます。
偽物の中には、時計屋さんなどの非常に詳しい人が見ても
真贋が区別できず、メーカーでオーバーホールをする際に
偽物とわかるものまであります。
ブランドと型番で探せば良いようなことを言う人もいますが、
むしろ普通のブランド品を探すときよりも
さらに真贋に対する目利きが必要だと言えます。
⑦古物商許可証
アンティーク商品販売に古物商許可証が
必要になる場合があります。
中古品を海外から輸入した場合は、一般的には古物商許可証は不要
と考えられます。
取引相手が海外の業者であれば、国内法は適用されないためです。
しかし、海外の中古品を輸入した場合にも、
古物商許可証が必要になる場合があります。
ebayで輸入する場合には、特に注意が必要です。
例えば、ebayのアンティークウォッチの出品者を見ると、
日本からの出品者(From Japan)が圧倒的に多いです。
この出品者から仕入れた場合、ebayで購入したとしても、
国内取引ということになります。
したがって、中古品を国内で取引する場合には
古物商許可証が必要になります。
ビジネスを進めていくと、輸入とは別に、
国内で直接仕入れることも起こりますので、
古物商許可証が必要になります。
国内取引で、対価の総額が1万円以上の全ての古物取引は、
古物台帳への記録義務があります。
ネットで取引をするように、相手と顔を合わせずに行う取引を、
非対面取引と言います。
法律では、
15通りの『非対面取引における本人確認方法』が
定められています。
その法律で定められた、15通りの本人確認方法以外で
は認めないということです。
ここでは15通りの本人確認方法の詳細は省きますが、
実際に行おうとするととても煩雑な作業になります。
古物営業法の目的は、窃盗犯罪の防止と
窃盗被害が発生したときに
被害を迅速に回復でるようにすることなのです。
古物営業法に違反すると、
3年以下の懲役または100万円以下の罰金刑
を科される場合があります。
とても重い罰則です。
⑧まとめ
アンティーク商品は、希少性があるので仕入れにくいです。
商品の単価が高く、しかも回転率が悪いので、
多額の資金が必要です。
アンティーク商品は、偽物が多いので真贋を見極める、
目利きが必要です。
偽物を仕入れた場合、犯罪になる可能性があります。
このようなことから、
アンティーク商品転売に初心者や素人が参入するには、
リスクを十分理解する必要があります。